熊本地震 被災地応援視察レポート 〔後編〕
みなさん、こんにちは!
毎週水曜日にお送りしております、
中村好明の「観光立国見聞録」。
さて、今回は先週に続いて、
「熊本地震
被災地応援視察ツアー〔後編〕」
のレポートをお届けいたします。
熊本城、益城(ましき)復興市場を後にした
私たち観光政策研究会のメンバーは、
4月14日と16日に発生した熊本地震において
被害が一番大きかった
益城町の役場を訪れました。
被害を受けた役場の建物は、
立ち入りが禁じられている状態。
役場職員のみなさんが
プレハブの仮事務所で
慌しく業務に追われていました。
そんな中、貴重な時間を割いていただき、
私たち訪問団を
町内で一番被害の大きかった場所に
案内してくださいました。
その場所で、また私は言葉を失いました。
私たちの目の前には、まるで
「町全体がなぎ倒されている」
と表現できるほどの
想像を絶する光景が、広がっていたのです。
倒壊した家屋、亀裂の入った道路。
テレビなどの報道からはでは
感じ取ることのできない凄まじさを全身で感じ、
震えが止まらないほどでした。
続いて私たちは、
県内最大級の仮設住宅団地である
「益城町テクノ仮設団地」
を訪問しました。
県内16の市町村にある106の団地のなかで、
最も大きな仮設住宅団地です。
プレハブの無機質な住宅ではあるものの、
熊本の県産の木材が各所に用いられ、
日本最大のイグサの産地である熊本らしく、
青畳が各住居に敷かれていました。
特に高齢者の方には、
この木の香り、
イグサの香りが和みとなります。
また、東日本大震災での
仮設住宅での経験知に基づき、
遮音機能付きの壁や、
結露防止のための
二重サッシなどが採用されていました。
さらに、プレハブの軒先には庇がつけられ、
縁側で隣人と話ができるような
細かな配慮もされていました。
また、こうしたハード面だけではなく、
心のケア、デイサービス、
子育て支援なども行われているのだそうです。
日本は、過去の地震から得た経験を
次に活かしているのだと、
改めて関係者の努力に頭が下がりました。
小雨降りしきる中、
続いて私たちは
阿蘇地域に向かいました。
国道57号にある
「阿蘇大橋」の崩落現場の視察です。
崩落した道路と橋の現場は、
まさにハリウッドのSF映画さながら。
進むべき道路の先が突然無くなっているのです。
大自然の途方もない力に、ただただ圧倒されました。
しかし、それと同時に、
九州地方整備局をはじめとする
復旧工事関係者のみなさんが
その大自然に立ち向かい、
1日でも早い復旧を目指している姿を拝見して、
頼もしく思いました。
この土地は火山灰質のため、
地面がどろどろのぬかるみとなり、
度重なる降雨によって
重機が沈み込んでしまうこともあるそうです。
また、余震によって
山上からの土砂が崩壊する
可能性もあるのだそうです。
そのため、復旧作業は
遠隔操作される重機によって行われていました。
現場のみなさんの情熱と
テクノロジーを駆使した復旧作業に、
感謝と尊敬の念を抱きました。
そのあと私たちは、
熊本の大西一史市長をはじめ、
地元の官民のみなさんとの意見交換会に参加し、
熊本地震への対応やその苦労話、
復興のビジョン等について
意見・情報を交わしました。
市長のリーダーシップと
熊本のみなさんの明るい笑顔に、
こちらが励ますつもりが、
かえって励まされてしまいました。
今回、
南薩観光の菊永社長を始め、
様々な関係者のご尽力によって
被災地を訪れる機会を与えていただき、
熊本のみなさんが
今回の地震で受けられた苦難の数々を
直接見聞させていただき、
また、みなさんが
果敢に自然災害に立ち向かっておられる
強さを感じることができ、
生涯忘れられないほどの
深い気付きと学びがありました。
みなさん、本当に
ありがとうございました。
さて、
来週は九州佐賀ふるさと紀行第二弾といたしまして、
「佐賀・鹿島の旅」のレポートをお届けします。
ご期待下さい!